こんにちわ!ゆきちだもん。
秋も本番を迎えてきたかな?食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋、色んな秋があるけどオイラは温泉の秋だと思うもん!今回は読書の秋と温泉の秋を組み合わせて「文豪が愛した温泉旅館」をテーマにご紹介しちゃうもん〜。
文豪はなぜ温泉旅館で執筆するの?
文豪たちがなんで温泉旅館で執筆をしていたかというと、出版元が「作家が執筆活動に専念できるように」という名目で旅館等を手配していたと言われています。
つまり他の出版社の仕事を受けたりしないようにカンヅメ(館詰め)にすることを目的にしていたんだとか...。
文豪が愛した温泉旅館10選!
福沢諭吉 塔ノ沢温泉・福住楼(神奈川県)
福住楼は1890(明治23)年創業の老舗旅館。福沢諭吉や島崎藤村らをはじめとする文豪や日本画家の川合玉堂、映画俳優の阪東妻三郎など多くの文人墨客が定宿にしてきた歴史あるお宿です。 訪れた文化人は皆がお気に入りの部屋を指定して滞在していたということもあり、建築物は国の登録有形文化財に指定されている数寄屋づくりの純日本旅館です。
■温泉情報
時間|16:00〜20:00
志賀直哉 城崎温泉・三木屋(兵庫県)
ここは大正2年に"小説の神様"と呼ばれた文豪・志賀直哉が滞在し、代表作のひとつである『城の崎にて』が生まれたお宿。 30歳の時に列車事故に遭った直哉が、療養のために城崎を訪れて三木屋に約3週間滞在し、その間に体験したり感じたりしたことを小説として書き下ろして『城の崎にて』が誕生したのだとか。 また、『暗夜行路』にも三木屋が登場しているとのこと!宿では直哉が愛用していた部屋や、宿の主人に宛てたハガキなどが見られるそうです。
■温泉情報
料金|21,000円〜(日帰り入浴不可)
小林多喜二 七沢温泉・福元館(神奈川県)
『蟹工船』などプロレタリア文学の代表的な作家である小林多喜二が滞在したことで知られる福元館。当時、社会変革に繋がるプロレタリア文学の思想は国から弾圧を受けており、1931年(昭和6年)の3月~4月にかけて多喜二は約1ヶ月間、警察の目を逃れてひそかにこの宿に滞在、小説『オルグ』を執筆したのだそう。多喜二が過ごした離れの部屋は今も当時のままに手火鉢、行火、茶だんす、丹前などが残されているそうです。
■温泉情報
入浴時間|11:00〜15:00
中原中也 湯田温泉・西村屋(山口県)
山陽地方で屈指の一大温泉街として知られる、山口県の湯田温泉にある西村屋は、詩人として現在も絶大な人気を誇る中原中也が昭和8年に上野孝子さんとの結婚式と披露宴を行った宿。現在、その会場として使われた「葵の間」では、毎年「中原中也賞」の選考会が開かれています。また、明治・大正・昭和初期にかけての俳人である種田山頭火も昭和12~14年頃にこの宿に頻繁に出入りをしていて、お酒を飲んだり温泉に浸かったりしていたのだそうです。
■温泉情報
料金|10,500円〜(日帰り入浴不可)
夏目漱石 道後温泉・ふなや(愛媛県)
創業380年、現存する宿では道後温泉でもっとも古い歴史をもつ湯宿。当時、多くの著名人や文化人から憧れの的として有名な宿で、文豪・夏目漱石もその1人だったのだとか。1894(明治27)年、漱石が念願かなって初めてこの宿を訪れ「はじめての 鮒屋(ふなや)泊りを しぐれけり」と句を詠んだことは有名なエピソードです。また、この宿は司馬遼太郎の『坂の上の雲』にも登場しています。
■温泉情報
料金|16,800円〜(日帰り入浴不可)
森鴎外 水月ホテル・鴎外荘(東京都)
水月ホテル鷗外荘のお風呂は都内第一号に認定された歴史のある天然温泉です。森鷗外は、「舞姫」「雁」「阿部一族」「高瀬舟」など、今も読み継がれる数々の名作を生み出した明治の文豪。19歳8カ月という若さで東大医学部を卒業、陸軍軍医となり、ドイツへ留学、帰国後の28歳の時には、海軍中将赤松則良の長女登志子と結婚し、上野花園町の赤松家の持家に住みます。それが鷗外荘!ここで「舞姫」をはじめ、「うたかたの記」「於母影」などの作品が執筆しました。
■温泉情報
入浴時間|11:00〜23:00
太宰治 谷川温泉・旅館たにがわ(群馬県)
谷川岳の南面の麓に広がる閑静な温泉地。「谷川岳に手が届きそう」のキャッチフレーズの通り客室から見ることができる谷川岳は四季それぞれ残雪と桜、新緑と涼風、燃え上がる紅葉の秋、一面の銀世界とそれぞれ趣があります。佐藤春夫・萩原朔太郎らと共に「日本浪漫派」に属し、「走れメロス」「斜陽」や「人間失格」など流行作家として活躍した太宰治。昭和十一年にパビナール中毒の転地治療を川端康成に勧められ、当館の前身である谷川館に一ヶ月近く滞在しており、『人間失格』を書く引き金となった作品、『創世記』の執筆もここでおこなった。館内にはミニギャラリーがあり、太宰ゆかりの品々が展示されています。
■温泉情報
料金|12,600円〜(日帰り入浴不可)
川端康成 越後湯沢温泉・高半(新潟県)
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった……」で始まる川端康成先生の小説『雪国』は、昭和9年から12年にかけて当館<かすみの間>にて執筆されました。そのお部屋を当時のまま展示室の一角に移し、見ることができます。高半の温泉は湯沢の他の源泉と異なり、約800年前に高橋半六翁が偶然発見した天然湧出の源泉。北西の高津倉山系の雨雪はおよそ半世紀かけて、地味を含み熱せられて湧き出ています。泉質は無色透明、アルカリ性単純温泉で、肌がつるつるし、かすかな硫黄臭とお湯の中でとき卵を入れたような湯花が咲くことから、「卵の湯」として多くの人に親しまれています。
■温泉情報
入浴時間|13:00〜17:00
島崎藤村 田沢温泉・ますや旅館(長野県)
子宝の湯で知られる名湯、田沢温泉。周囲の青木三山の山の幸料理が自慢。藤村が逗留し豊かな詩情を練った往時そのままの静けさに溶け込み、眺望に心落ち着かせる本物の昔を感じられる宿。創業明治元年、白壁の土蔵と木造3階建ての高楼の宿。入母屋造りの建物は登録有形文化財に指定されています。無名時代の藤村が泊まった三階の一室「藤村の間」には彼が使った机、茶だんすなどが現在も残っており、島崎藤村がしばし逗留し豊かな詩情を練った部屋でもあります。『千曲川のスケッチ』はこの客室で誕生しました。
■温泉情報
入浴時間|10:00〜20:00
壺井栄 上林温泉・塵表閣本店(長野県)
明治34年、初代小林民作により、長野 上林温泉を開湯し、小林館として開業した当館は、翌年訪れた末松謙澄の命名により「塵表閣」と改名、以来、夏目漱石、与謝野晶子、林芙美子、川端康成など数多くの文人墨客や、武人、政治家などさまざまな方々に深くご愛顧を戴いてまいりました。壺井栄が小説「二十四の瞳」を描き上げた宿として有名で、夏目漱石や与謝野晶子といった大文豪も訪れています。歴史を感じながら自然のなかでゆっくりとした時間を楽しめます。
■温泉情報
入浴時間|15:00〜18:00(※要予約)